元日本代表前衛の@zenei_tubasaです。
今回はソフトテニス初心者の方に向けて、失敗しないラケットの選び方とおすすめのラケットについて書いていきます。
結論から書きますが、初心者の方がラケットを選ぶときに、最も意識してほしいポイントは4つ。
- ラケットの重量が軽い
- ラケット面が大きい
- ラケットのフレームが柔らかい
- オールラウンド向けのモデル
最初は最低限このポイントだけ意識しておけば、まず失敗することはないでしょう。
そしてこの条件を満たすラケットを、よりわかりやすく表すとこのようになります。
初心者におすすめのラケット
かなりアバウトに聞こえるかもしれませんが、初心者が最初に買うラケットに関しては、この選び方で間違いありません。
今からラケット選びの7つのポイントを挙げながら、その理由について詳しく解説していきます。
ラケット選びの7つのポイント
初心者から上級者まで関係なく、ソフトテニスラケットを選ぶときのポイントは以下の7つです。
ラケット選びの7つのポイント
- ラケットの重さ
- ラケットの重心
- ラケットの長さ
- ラケット面の大きさ
- ラケットフレームの硬さ
- 前衛用か後衛用か
- グリップの太さ
もちろん実際に打ってみての感覚や直感も大切ですが、今回は初心者向けの記事なので、スペックを中心に書いていきます。
1. ラケットの重さ
ラケットの重さはメーカーごとにラインナップがありますが、初心者のうちは軽いラケットがおすすめです。
◯とにかく扱いやすい
◯スイングスピードが出しやすい
△速いボールに打ち負けやすい
重いラケットの特徴
◯安定感があり速いボールにも打ち負けにくい
△筋力がないと扱いにくい
△スイングスピードを出すのが難しい
このように軽いラケットはとにかく扱いやすいため、正しいフォームやスイングを覚えるのに最適です。
重いラケットにも当然メリットはあるのですが、初心者のうちは性能を発揮することができず、かえって上達のさまたげになる可能性が高いのでおすすめできません。
軽いラケットで正しいフォームやスイングを覚えてから、だんだん自分が扱える重さのラケットに変えていくのがベストです。
2. ラケットの重心
ラケットの重心は、ラケットヘッドが軽い”トップライト”と、ラケットヘッドが重い”トップヘビー”がありますが、初心者の方は「トップライト」のラケットがおすすめです。
◯スイングするとき軽く感じる(振り遅れにくい)
△遠心力が弱いため威力あるボールを打ちにくい
トップヘビーの特徴
◯強い遠心力を使って威力あるボールを打てる
△スイングするとき重く感じる(振り遅れやすい)
このようにラケットは重さだけでなく「重心の位置」によって大きく扱いやすさが変わってきます。
トップヘビーのラケットは威力のあるボールが打てますが、振り遅れやすいためボレーやスマッシュなど素早いラケット操作が多い前衛には不向きです。
また後衛も必要最低限のネットプレーは最初に覚える必要があるので、ポジション関係なく初心者のうちはトップライトのラケットがおすすめです。
3. ラケットの長さ
ラケットの長さにも一応ラインナップはありますが、ラケットの重さや重心ほど意識しなくても大丈夫なポイントです。
◯短いため扱いやすい
◯身体に近いボールの対応がしやすい
△守備範囲が少し短い
△しなりにくく威力あるボールを打ちにくい
長いラケットの特徴
◯守備範囲が少し長い
◯しなりやすく威力あるボールを打ちやすい
△長いため扱いにくい
△身体に近いボールの対応がしづらい
このように長さによってのメリット・デメリットは挙げられるのですが、ラケットの重さのように初心者が体感できるほどの違いはありません。
体感できたとしても誤差程度の影響なので、ラケットの長さで選択肢をしぼる必要はないと思います。
最終的にはポジション関係なく長いラケットがおすすめなので、もし長さで迷った場合は長い方のラケットを選ぶと良いでしょう。
4. ラケット面の大きさ
ラケット面の大きさは重さと同じく違いがわかりやすいポイントで、初心者のうちはラケット面の大きいラケットがおすすめです。
◯スイートスポットが広い
◯ガットのたわみでボールを飛ばしやすい
△空気抵抗が大きいためスイングスピードは落ちる
△ブレが大きくコントロール性は低い
ラケット面の小さいラケットの特徴
◯空気抵抗が小さいためスイングスピードが速い
◯ブレが最小限なのでコントロール性が高い
△スイートスポットが狭い
△真ん中に当てる技術が低いとボールが飛びにくい
スイートスポットとは、あまり振動を感じすに快適にボールを打つことができる、ラケット面の中央(正確には少し上)エリアのことです。スイートスポットで打つことでボールは気持ち良く飛んでいきます。
このエリアの外側でボールを打ってしまうと、まともなボールが飛んでいかないため、初心者のうちはスイートスポットが広い「ラケット面の大きいラケット」をおすすめします。
スイートスポットの真ん中で確実にボールを捉えられるようになってから、だんだん面の小さいラケットに変えていくのがベストです。
5. ラケットフレームの硬さ
ラケットフレームの硬さについては好みもあるのですが、初心者のうちはフレームが柔らかいラケットがおすすめです。
・しなりやすく反発力が低い
・打った感覚(打球感)がしっかりある
◯ボールがラケット面に接触する時間が長い
(コントロールしやすい)
△スイングの力をボールに伝えにくい
フレームが硬いラケットの特徴
・しなりにくく反発力が高い
・打った感覚(打球感)があまりない
◯スイングの力をロスなくボールに伝えられる
△ボールがラケット面に接触する時間が短い
(コントロールが難しい)
このようにラケットフレームの硬さについては少し難しいのですが、「しなりやすさ」と「打球感がしっかりある」という点で、最初は柔らかいラケットをおすすめします。
パワーとコントロールを両立するためには「フレームが硬いラケットを速いスイングでしならせる」必要があるのですが、初心者のうちは不可能です。
そのため最初はフレームが柔らかいラケットで、ラケットをしならせる感覚やボールを打つ感覚を掴んでから、だんだんフレームが硬いラケットも検討していくと良いでしょう。
ちなみに上級者でもフレームが柔らかいラケットを好んで使う選手は多いので、好みの部分も大きいです。
6. 前衛用か後衛用か
メーカーごとに表記は異なるかもしれませんが、初心者のうちは「オールラウンド向け」や「エントリーモデル」と書かれたラケットがおすすめです。
・全長が短め
・トップライト(グリップ側が重い)
・ラケット面が大きい
・フレームが硬くしなりにくい
(正確にはフレームが厚い)
後衛用ラケットの特徴
・全長が長め
・トップヘビー(ラケットヘッド側が重い)
・ラケット面が小さい
・フレームが柔らかくしなりやすい
(正確にはフレームが薄い)
このように前衛用と後衛用のラケットでは明確に特徴が分かれていますが、オールラウンド向けのラケットはそれぞれの特徴の中間をとってあります。
初心者のうちはストロークもネットプレーも両方練習する必要があるため、すでに前衛か後衛かポジションが確定していても、最初はオールラウンド向けのラケットがおすすめです。
すべてのプレーの基礎が固まり、本格的にポジションの役割を学んでいく段階になったら、前衛用や後衛用のラケットに変えていくのがベストだと思います。
※1本シャフトと2本シャフトで迷う後衛の方も多いですが、1本シャフトへの強いこだわりがなければ、基本的には2本シャフトのラケットがおすすめです。
7. グリップの太さ
グリップもメーカーごとにラインナップがありますが、グリップに関しては「自分が最も力を込めて握りやすい太さ」を選びましょう。
後衛は細いグリップ、前衛は太いグリップという情報もありますが、気にしなくて大丈夫です。
グリップはグリップテープを重ねて巻くことで太くできますが、細くすることはできないため、迷った場合は細いグリップを選ぶのがおすすめです。
ラケット選びの7つのポイントまとめ
少し長くなりましたが、ラケット選びの7つのポイントを踏まえて、初心者におすすめなラケットの条件をまとめてみます。
初心者におすすめなラケットの条件
- ラケットの重さ=軽め
- ラケットの重心=トップライト
- ラケットの長さ=意識しなくて大丈夫
- ラケット面の大きさ=大きめ
- ラケットフレームの硬さ=柔らかめ
- 前衛用か後衛用か=オールラウンド向け
- グリップの太さ=力が込めやすい太さ
そしてこの条件を満たしているラケットが、最初に説明した「ヨネックスかミズノが販売している、オールラウンド向けの、初級〜中級モデルのラケット」ということです。
初めてのラケット選びはかなり迷うと思いますが、この条件に合うラケットをまずピックアップすることで、初心者に最適なラケットを簡単に絞り込むことができます。
あとは好みの色やデザイン、実際にスイングしてみての感覚や直感で選んでもらえれば、失敗することなく最初の1本にふさわしいラケットを選ぶことができると思います。
ラケット選びよりも大切なこと
今回はソフトテニス初心者の方に向けて、おすすめのラケットの選び方を解説しましたが、最後にラケット選びよりも「勝つために大切なこと」をお伝えします。
それは初心者のうちから、
「正しい順序」で
「意味のある練習」を継続する
ということです。
どれだけ自分に合ったラケットを選べたとしても、これができていなければ試合に勝つことはできません。
これから本気でソフトテニスに取り組みたい、そして勝ちたいと思っている選手はこちらの記事を読んでください。
試合で勝てない選手に向けて書いた内容ですが、本当は初心者のうちにこそ読んでほしい内容です。
あなたがこの記事を見つけて失敗しないラケット選びのポイントを知れたように、試合で勝つためにも正しい情報が必要不可欠です。
限りある時間やせっかくの努力を無駄にしないためにも、上の記事も読んでいただけると嬉しいです。